日本(にっぽん)人はごはん

2015年1月9日

「へそくり社長」 1956年 東宝
藤本真澄プロデュース&森繁社長のシリーズ一作目です。

今日から数日この映画で書きます。
実は毎日書いているとねたが尽きてしまいます。
ブログを始める時は書きたいことがいくらでもあって、
いや今でもあるのですが、いざとなると中途半端なことが多くてだめです。

さて、本題に戻ります。

この映画では、社長、田代善之助は妻にお米のごはんを食べることを禁じられています。

理由は、カリスマ先代社長は健康の為今の田代の年代からお米を一切口にしなかったから、
しまいには
「とにかく、日本人が短命なのはお米を主食にしてるからだって事が統計的に証明されましたのよ、
あなた」

なんていう始末です。しかし田代は米の飯が大好きなのです。

そんなさなか大株主の赤倉(古川緑波)は食事療法とかで「腹いっぱい、食えるだけ飯を食って」
と、田代の目の前でうな丼(画面を見る限りではうな重ですが)を二杯たいらげます。
ああ、かわいそうな社長…。

GHQ及びアメリカ政府は日本の文化を改造しようと試みたようです。
たとえば漢字やかなを使わせずローマ字にするとか。
食物に関してもそうでしょう。
しかし、あまりにドラスティックなことはやめたようです。

それでも、当時余剰だった小麦はどうしても日本の市場に出したかったらしく、
いろいろな活動をしています。
それに感化された馬鹿な日本人も活動しています。
学校給食のパンなんかはその際たるものですね。

妻(越路吹雪)の台詞は、そういう感化された馬鹿な日本人へのアンチテーゼに聞こえます。

量は減ったもの米を食べることをやめなかった日本人がやがて世界一の平均寿命になるなんて、
藤本真澄も笠原良三も想像していなかったでしょう。

(Hatena::Diaryより転載)