芦川いずみ

2015年1月15日

「風船」 1956年 日活

主役は森雅之、カメラ会社の社長です。その息子役が三橋達也、妹が芦川いづみ。三橋の彼女が新珠三千代、三橋を誘惑するダンサーが北原三枝。カメラ会社の社長がかつて下宿していたうちの娘が左幸子。
というあたりがメインのキャスト。

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かつて絵描きを志していた村上春樹(森雅之)は今はカメラ会社の社長。ある葬式でかつての仲間に会います。そして村上の息子はすでにあるホステス、久美子(新珠三千代)と関係がありましたが、その男の指示で近寄っていったダンサー(北原三枝)に心が移っていきます。
村上の娘(芦川いづみ)は小児マヒで頭の回転が遅いですが、その分純粋な娘です。いきなり姉の彼女、久美子を訪ねていきます。(これはくだらないのですが久美子(新珠)に『名前は珠子、真珠の”たま”』と説明します、『新珠の珠だ』ってつっこみたくなります)
一方父親の社長は、かつて住んでいた京都に立ち寄った際、自分の下宿していたいえの娘(左幸子)が写真のモデルをしている事を知ります。そして彼女を訪ね、かつて自分の持っていた夢を再燃させます。

久美子は、息子の心変わりを知り自殺を図ります。

社長は会社から去り娘と二人で、かつての京都の家での生活を考えます。珠子を連れていきたかったのですが、珠子は家族が離れる事を嫌がります。

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軸は村上という森と三橋演じる親子とその周りの女性なのですが、娘の珠子の存在が話に深みを加えています。そして芦川いづみが好演です。

ところで、この映画は日活ですが、
芦川、北原は日活の印象が大ですが、私的には
森雅之→大映
三橋達也→東宝
新珠三千代→東宝
左幸子→松竹
という印象がありました。これは60年代の契約やフリーでも時期的な仕事の集中で感じる印象のようです。
古き良き日活映画の一本です。

(Hatena::Diaryより転載)