クレージー映画と映画会社

2015年1月15日

「クレージーの花嫁と七人の仲間」(松竹)というのを観まして、先日亡くなった青島先生も主演しているわけですが、クレージーの映画っていうのは、大映あり松竹あり、東映あり、そして東宝ありと四社(及び系列)にまたがっています。

印象としては東宝が多いのですが、ハナ肇は松竹で役者として大成しています。これは契約の関係なのかなーと推測していました。
メンバーが最初に出演するのは「足にさわった女」(大映)で、その後数作大映がありますが、その後は各社入り乱れです。

今日、ちらっとそれに関する本を読みました。ナベプロの歴史の本なのですが(タイトル失念)、渡辺晋は四社に植木(東宝)、ハナ(松竹)、谷(東映)、犬塚(大映)を主演に使う様、それぞれ交渉したらしいのです。
で、大映では「ほんだら剣法」「ほんだら捕物帖」などの犬塚主演映画、東映では「図々しい奴」などの谷主演映画が作られましたが定着はしませんでした。
松竹は「馬鹿まるだし」などのハナの馬鹿シリーズ、これが当たりハナは山田(洋次)組の役者になります。
東宝は最も多く作っていますが、これは植木が主演=クレージーだからでしょう。ピンを意識した日本一の男シリーズも秀作です。

渡辺晋としては各社で主役を振り分け、脇役に他のメンバーを出演させ、おまけにクレジットに「渡辺晋」の名前をだして、あらゆる映画館を席捲しようと考えたようです。
しかし、谷や犬塚は脇役として光る存在なので無理があったのでしょう。(後年山田洋次は谷も犬塚も脇役としてうまく採用しています、しかし最も優れた脇役は桜井センリかも)

(Hatena::Diaryより転載)