増税について

2015年1月15日

与党税制改正大綱決定ということで、二つの相反する考えを書きます。たばこ税と酒税です。

まず、ともに嗜好品であるから、無くても死にはしないものです。これらの税金を上げるから庶民をいじめているなんていうのは多分間違いです。

■たばこ税
マナーの悪い喫煙者を見ると「一箱3000円ぐらいにしろ」と思いますが、一本数円、一箱数十円の値上げでは禁煙する人もそうは多くないでしょう。禁煙はもっと強く動機づけるものがあったほうが成功の可能性が高いと思います。月数百円から千円程度の出費増では「吸いたい」という欲求にま弱いです。
それより、分煙というか世の喫煙のルール、マナーを啓蒙するのに少しは気をつかったらどうでしょう。大きい会社や施設ですと、きちんと喫煙があったりするのですが、小さいとこだと会社の入り口が自然と喫煙スペースになってたり。
今はどうなっているのか知りませんが、千葉のある大きな病院では、一階の待合室に併設するスペースが喫煙所で、入院病棟に行くのに必ずそこを通るということになっていました。
うちの隣は「ほたる族」ですが、ベランダで吸う匂いが意外と隣であるうちの室内に入ってきます。文句はいいませんが…。
愚痴ばっかりです。

■酒税
第三のビールが増税ということです。これは始めからそうすべきことでした。何故なら如何に作り方、原料を変えようが、「ビール」の代わりとして飲ませることを意図しているのです。だからこれらは「にせビール」です。
今までの税率で続けていても、ビールと第二、第三のビールを合わせた市場規模は減少してくでしょう。そして今はビールのシェアをとり成長している第二、第三のビールの市場も飽和して、飽きられていくでしょう。
これらのイミテーションが本家のビールより美味いということになれば別ですが、現状は「代わりとして飲むなら十分だよ」なのです。

日本の酒造メーカーと酒税制度は長くにせものづくりに荷担していました。20年ぐらい前までは国産の清酒、ウイスキーのほとんどがにせものでした。清酒は三増酒というルーツと不合理な級別制度で、アル添、糖類、化学調味料添加なんて事をしてましたし。ウイスキーは海外の原酒の桶買い、カラメル添加、アル添もやってました。
有名な日本酒の「●関」やウイスキーの「▲ントリー ●ールド」なんかまさにそんな製品でした。

酒税を決める側にも、ましてや造るメーカー側にも、こういう事を理解して考えてほしいのです。
ちょっと単価が安いから、お客が喜ぶから、税制の隙間でにせものをつくるというのは、私からみれば耐震構造偽造とたいしてかわらないのです。ニッカの創始者の竹鶴政孝や、明治時代のキリンビール、サッポロビールの苦労を考えた時そう思えます。

(Hatena::Diaryより転載)