生きものの記録

2015年1月9日

この映画を思い出しました。
1955年だから昭和30年の黒澤映画です。

資産のある老人が原水爆の恐怖から安全な地へ家族とともにブラジルに移住することを企てる。家族はその「狂気」を阻止するため、準禁治産者と認めてもらおうと裁判にかける。

その裁判の調停委員を担当する医師は老人の考えが狂気なのか疑問をもちはじめる。

といったあらすじです。
老人を三船敏郎、移民を斡旋する日系ブラジルが東野英治郎、医師が志村喬などというキャスター、一番若い三船が老人役を演じています。

今では、ブラジル(南米)が安全だって価値観もピンとこないだろうし、準禁治産者って制度もなくちゃったから、ちょっとわかりにくいかもしれません。
なにしろ55年前の映画だから(ちなみに名作『生きる』はこれの3年前)。

ただ、水爆をことのほか恐れてるこの老人の裏返しに、原発を何十と抱えて数日前まで安穏としていたニッポンの無責任な繁栄があったと思うんですよね。

これ、国債の残高の問題もおなじで、いつか破綻する、いつかダメになるってわかってても、「そんな事はないから、破綻はおこりえないから」という理屈に似ています。

つい最近、我々はひとつの真実を知ってしまいました。狂っているのはどっちの道か、もしかしたら判断できるのかもしれません。

(mixi日記から転載)

イイネ!2)

APE

AKO

コメント

    • APE

      APE2011年03月19日 00:06 削除

      「なんとなく」抱いているイメージが
      実はトンデモナイ問題を含んでいる、という可能性。

      「プロに任せておけば安心だ」
      ってーのは 実は(特に政治?)とても危うい のですね。

たけちゃん

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