五社協定

2015年1月22日

かつての映画会社で、大映は倒産しました。新東宝もなくなりました(後からでる新東宝は別の会社です)。日活も倒産しました、新東宝は普通の映画でたちゆかなくなって「エロ・グロ路線」、再生した日活は「ロマンポルノ」というものを手がけました、そういう映画が低俗だからいかんというのではなく、競争力がなくなりそっちへいかざるをえなかったのでしょう。
東映や東宝はテレビ時代を迎えそういう仕事にもシフトしています(アニメや特撮)。

日本映画の黄金時代には「五社協定」というのがあって、東宝、新東宝、松竹、大映、東映の五社(後に日活を入れた六社)が、俳優の引き抜き、貸し出しなどを制限する申し合わせをしました。元は、日活の復活を控え各社の役者を守るために始めたのですが、引き抜きができないということは、俳優の自由意志で会社が選べないことにもなります。俳優側にとても不利な決め事ができたのです。

こういう規制が何を生むかというと、人の集まりや移動の硬直により、それぞれの才能を制限した使いみちにしてしまいます。そういう意味で、非常に悪名高い制度でした。

ただ、今の時代に過去の映画を観ている私のような人間にとっては、専属のおかげで系統がわかりやすく、便利なのです。
私がもう少し役者さんの顔を覚えればそうでもなくなるのですが。

(Hatena::Diaryより転載)