乱れる

2015年1月21日

2005-06-23

「乱れる」 1964年 東宝
高峰秀子主演、未亡人とその亭主の弟との恋愛を描いています。
弟役は加山雄三、その姉に草笛光子、白川由美。
母親が三益愛子です。

高峰秀子は1924年3月27日生まれですから、このころ40才。
(小林桂樹と4ヶ月違いで学年が同じです)
60年前後からは、仕事のペースが少しゆっくりなっています。
夫婦でいる時間をとても大事にしていたそうなので、そうなるのでしょう。

さてこの映画も彼女の演じる「女」につきます。
同じ共演者と歩くシーンなのに、始めの頃は姉、後半は女の表情になっています。
ラストシーンでは、泣き顔の中に少女を感じさせる、せつなくきれいな表情です。

ところで、この映画のテーマの社会的背景は、スーパーマーケットの進出と地元商店街です。
このころ、まさに流通革命で、映画中でも中北千枝子の演じる奥さんが言うように、
”旧来の商店の仕入値よりもはるかに安く売る” スーパーが現れます。
今では、セブンイレブンの方がイトーヨーカドーより大きいですし、
ダイエーの凋落も見てきましたから、スーパーも散々ですが。
この頃は破壊的な存在です。
そして70年代まで、商店街を潰し、台頭してゆくのです。

この映画にでてくるのが「清水屋」というスーパーですが、
千歳烏山にある「シミズヤ」ではなく、静岡の清水が舞台でした。

(Hatena::Diaryより転載)