核戦争

北朝鮮が核開発をしているといわれていても、普段我々はさしせまった核戦争への恐怖は感じていないのではないでしょうか、少なくとも私は恐怖を常に感じているということはありません。
どこかが一発発射したら世界が終わりなんだから、そんな馬鹿なことをするわけがないという考えと、皆死ぬなら自分だけ助かる必要もないという考えです。冷戦時代の、核の傘に守られてきた者の考え方でしょう。

「生きものの記録」 1955年 東宝
黒澤明監督映画です。ある工場の社長(三船敏郎)が核の恐怖から全財産をかけてブラジルに移民しようとします。それをしった家族が彼を禁治産者にしようと、弁護士(志村喬)に依頼します。
今の時代では、ちょっと滑稽な気もしますが、戦後15年しか経っていないその頃は、戦争の恐怖、他人に殺される恐怖が人々の間に残っていたのだと思います。

実際の核戦争を日本人の庶民の立場から描いたのが
「世界大戦争」 1961年 東宝
フランキー堺演じるタクシー運転手、コツコツとつつましく生きてきてささやかな幸せを感じていますが…。
この映画のラストはストーリーとしてちょっと想像以上でした。もちろん特撮的には楽しめるものがあります。

(Hatena::Diaryより転載)

沢村貞子

これまで何度かふれてきた沢村貞子に関する本を読みました。
「沢村貞子 波瀾の生涯」 中島信吾 著  岩波書店
そして、すこし理解を深め、また、疑問が残りました。

沢村貞子は明治41年生まれ、浅草出身です。
お父さんは好きが高じて役者に転職までした人で、子供も役者にしようとします。
それが貞子の兄、沢村国太郎と弟、加東大介です。

お兄さんの沢村国太郎の息子が、長門裕之、津川雅彦です。つまり沢村貞子と加東大介からみると甥です。そういえばな、んとなく長門裕之と加東大介は面影が似ています。

役者一家という感じです、ところが貞子が子供の頃には「女が役者なんか」という時代で、兄や弟とは違って役者の修行をさせてもらえませんでした。

進学も親の反対を受けます、それでも貞子は大学に入学するのですが、その後劇団に入団、役者の道を進みます。ところが入った劇団が「アカ」(左翼)ということで、大学を中退、ついには逮捕、投獄されます。

出所後、最初の結婚をします。しかし、戦後間もない頃、生涯を共にすることになる、大橋氏と出会い本人は離婚、同棲、苦労の上大橋氏と結婚します。

大橋氏と出会った頃の夫が藤原釜足のはずなのですが、彼の名前は全く出てきません。
釜足とは10年間夫婦で、その間は映画に共演したりもしています。どういう夫婦だったのか興味があります。戦後はやはり共演が無いようです、あるのかも知れません。調べてみます。

大橋氏とは正式な夫婦になるまで20年待たされています、それだに幸せな夫婦だったようです。

加東大介とはとても仲が良かったようです。共演も多いです。
面白いことに「社長漫遊記」では夫婦役です。

晩年は役者を引退し、エッセイを書きながら夫と葉山のマンションで過ごし、1996年(平成8年)、2年前に亡くなった夫を追うように生涯を閉じます。

無神仏主義で、遺骨は夫と共に相模湾に散骨されています。
今でもすごいと思える人生ですから、時代を考えると大変なものです。
それでも、どの写真もやわらかく優しい顔をしています。
きっと素晴らしい人物だったのでしょう。

(Hatena::Diaryより転載)

大冒険

「大冒険」 1965年 東宝
クレージーキャッツ結成10周年記念映画です。
もちろんクレージーの全員が出ています。

今日本では偽札が横行していますが、この映画は国際偽札偽造集団(ネオナチ?)にひょんなことから植木と谷が巻き込まれていくというストーリーです。

ハナと犬塚、石橋が刑事役で悪方集団とおいかけっこをします。

団令子が谷の妹で、植木は彼女に気があるという設定です。

越路吹雪(あの超大御所シャンソン歌手です)が悪方集団の日本のトップを演じています。この人は社長シリーズでも久慈あさみ以前に社長夫人を演じていました。役者さんだったんですね。

社長シリーズといえば、森繁が総理大臣役で出ています。閣議で偽札が日本に上陸するのを危惧して対策を指示するのですが(今の政府に比べると立派ですね)、どうしても閣議が社長シリーズの早朝会議にしか見えないのです。

ラストシーンで、の渡邊晋、渡邊美佐の夫婦(ナベプロの社長、会長)が仲人役で出ています。渡邊美佐会長の出演は珍しいです。10周年でかつぎだされたのでしょうか。

(Hatena::Diaryより転載)

東京の風景

「続・若い季節」 1964年 東宝
一昨日書いた「若い季節」の続編です。社長シリーズなどの続編は本編の半年後に上映されるのが普通ですが、この作品は前作から約1年半経っています。
キャストも大幅に変わり、クレージーのメンバーも、谷啓、植木等、桜井センリがチョイ役で出てるだけです。
「三人娘」(中尾ミエ、園まり、伊東ゆかり)が主役、三橋達也、藤田まこと等が共演です。
三人娘は当時のアイドルなのですが、クレージー的な前作の華やかさに比べると個人的にはイマイチかなーという感じです。

前作も今作も面白いのは役者の名前をそのまま使っているところがあるのです。
植木さん、松村(達雄)さんとか、すぎむらとか、三橋さんとか。
見る人にわかりやすくしたのでしょうか?

オープニング(クレジット)のシーンで、空から都心を映しています。
ちょうど東京オリンピックの年で首都高も整備され、この頃の映画ではこのように近代的に変わった東京を誇らしげに映すことが多いです。

東京タワーが一際高く、美しい景色だと思います。

実はこの頃はビルの高さに31m規制というのがあって、高層ビルは建てられなかったのです。31mというと8階~9階、高いビルでもせいぜいそれくらいの高さだったのです。
この規制が外れて最初にできた超高層ビルが昭和42年(1967年)の霞ヶ関ビルです。

あと、この年1964年の4月にオリンピックの開催を機に海外渡航が自由化されています。今では信じられないことですがそれまでは、民間人が「観光旅行」として外国に行くことはできなかったのです。

こんなことも踏まえて観ると、当時の人の価値観がつかめるかもしれません。

(Hatena::Diaryより転載)

団令子

昨日書いた「若い季節」にも出演していた、団令子。

この時代の東宝の看板女優の一人です。
私が始めてみた社長シリーズの「社長えんま帖」に出ていて、
その頃は役者さんの名前があまり解らず、何回もキャストの所をみて
研究したものです。

その映画では、京都の芸者で、看護婦にカモフラージュして森繁社長と行動します。
その役どおり実際に京都の出身で、関西なまりの役がとても良いです。
話はそれますが、新珠三千代の関西なまりも良いです。

ちょっと舌足らずでかわいい声です、顔も丸顔で、美人ではないのですが
現代的でコケティッシュな雰囲気でした。
代表作「お姐ちゃんシリーズ」始め、社長シリーズ、クレージーなど
色々な映画に出ています。
お嬢様役から、芸者、ホステスなど多様な役所をこなしています。

一昨年お亡くなりになったのですが、
息子さんのこともあり、晩年は幸せとは言えなかったのかも知れません。

映画の中では今でも、はつらつと明るい団令子に会うことができます。

(Hatena::Diaryより転載)

クレージーキャッツ

60年代の東宝映画が好きということは、当然クレージー好きでなければなりません。

クレージーのシリーズの映画ではないのですが、メンバー全員が出演した
「若い季節」 1962東宝
キャストが豪華です、
団令子、浜美枝を始め、淡路恵子、藤山陽子、中真千子、田村奈巳という
東宝のきれいどころとクレージーと坂本九
脇には、有島一郎、人見明、松村達雄、ジェリー藤尾
特撮からウルトラシリーズでおなじみ、平田昭彦、佐原健二
おとといふれた沢村貞子や青島幸男もでています。

クレージーのシリーズの最初の映画「ニッポン無責任時代」がこの年の7月に上映されています。約4ヶ月後の上映です。
監督は同じ古澤憲吾です。

この映画はナベプロプロデュースです。みんなが歌ったり踊ったり、この時代のテレビの魅力をもってきた楽しい映画です。
その中でも、坂本九と植木等が互いの歌を歌っているのが印象的です、どちらも歌が上手です。

佐原健二といえばウルトラQですが、この映画よりも昔に団令子、志村喬などと「社員無頼」という映画にでています。一徹な無頼漢を演じるのですが、
この「若い季節」のエンディングでなんかそのキャラクターと重なるところがありました。

(Hatena::Diaryより転載)

今日はブログの決め事

ルール

三日目です。三日坊主にならぬようこのブログに関する決め事を発表します。

  • 1960年代を中心とした日本映画に関することを色々書きます。
  • 一度書いたものは間違いがあってもその文章は改変せず、後の文章に訂正を入れるという形にします。
  • 現代の社会において不適切とされる表現も使うことがあります。
  • 役者さんの名前には基本的に敬称はつけません。
  • なるべく毎日書きます。
  • 文章は敬体で書きます。
  • 単純なデータ、単語以外の引用は出典を明らかにします。

以上2005年1月28日のルールです、変更することもあります。

理由

上記のそれぞれの理由です。

  • なぜ1960年代か、それは書ききれないほど理由があるのですが、簡単に言うとこの頃が、「自分が生まれてからもの心がつく頃の時代、郷愁感」「日本が輝いていた時代」だということです。まんがと映画は歴史、風俗の一級品の資料です。この頃、戦前からあった風景や風俗が、現代風に変わっていったものがたくさんあります。そういう事を見たり、その事について考えたりするのが好きなのです。
  • 前に書いた内容を訂正して行くとキリがなくなるので。それとブログなので、決してきれいな物を残す気がないのでそうします。
  • 言い換えはその言葉の本質を変えることができない上に、ニュアンスを正確に伝えません。差別用語を使うことに問題があるのではなく、差別することに問題があると考えています。
  • 敬称をつけたいのですが読みにくくなるのでつけません。

(Hatena::Diaryより転載)

小林桂樹

実は昨日の最初の書き込みは小林桂樹の話だったのですが、初日だから二つ書こうと藤原釜足の話を書いたら前のが消えちゃいました。
使い方をまだ把握してないので、情けない話です。

最近、小林桂樹の大きなポスターをよく見かけます。tu-kaの携帯電話のやつです。
「携帯はいらん、簡単、簡単といって簡単だった試がない」と怒るおじいちゃん、いざ携帯を片手に
「なんだ、簡単じゃないか」というあれです。

CMではいかにも頑固なじいさんですが、昔の映画ではのほほんとした人のいい役が多いです。
社長シリーズでは常に森繁社長の傍で秘書などを務め、後期作では、部長、次期社長と出世していきます。

日本沈没で、田所教授(日本が沈没すると唱えた人)役で、この時は融通のきかない人物役でした。

最近私が見た中で良かったのは、

「名もなく貧しく美しく」 1961年東宝
「父と子」 1967年東宝
小林桂樹と高峰秀子が聾唖者(おし、つんぼ)で差別や貧困に負けずに生きていくさまを描いたものです。幸いにも耳に障害のない子供を授かるものの
子育てに苦労し、最後にさらなる不幸が。
「父と子」はその後子供が成長し、健常者である自分、差別をうける父との葛藤を描きます。
小林桂樹、高峰秀子、田村亮、内藤洋子が聾唖者を演じます。
不謹慎な言い方だけど、怖くなるような演技です。すごいと思いました。

次は
「天才詐欺師物語・たぬきの中の狸」 1964年東宝(東京映画)
これは、小林桂樹がたばこ屋を騙すせこい詐欺師役を演じます。刑事役に三木のり平、ぶた箱で知り合う悪仲間に森繁久彌がいます。
社長シリーズで恋人、妻役の司葉子が女詐欺師で警察内で知り合い婚約しますが…。
悪役だけど憎めない、いい感じです。

小林桂樹は1923年(大正12年)11月23日生まれですから、御年81歳です。お元気そうでなによりです。
フランキー堺や三木のり平は既に鬼門に入りましたが、まだまだお元気で活躍してほしいと思います。

(Hatena::Diaryより転載)

藤原釜足

「藤原釜足」という名脇役俳優がいました。
もちろん芸名で、はじめ藤原秀臣だったのを、この名前に変えたそうです。
もちろん藤原鎌足にあやかって。

黒澤明監督の映画に良く出ています、その他東宝系を中心にとても多くの映画に出演しています。

沢村貞子と結婚していたことがあり、後によく共演する加東大介と元義兄弟ということになります。(沢村貞子の弟が加東大介)

ところで、戦争中に藤原鎌足のパロディを芸名にするのは不謹慎だということで
改名させられるのですが、それが「藤原鶏太」
鶏太-けいた-けえた(変えた)、というギャグだそうです。
転んでもただで起きないというか。

「社長シリーズ」の原作者が「源氏鶏太」という人(この方ももちろんペンネーム)なのですが、なにか関係があるのでしょうか。

藤原釜足は社長シリーズにもよく出ています。

(Hatena::Diaryより転載)

Al mal tiempo, buena cara

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