点と線

先週の土日にテレ朝で「点と線」の放映がありました。「ビートたけしvs松本清張」というキャッチでたけしが主演で鳥飼刑事の役を演じました。
コマーシャルのナレーションで「映像化不可能と言われた…」とうのが非常に不思議で、この小説が書かれた直後に映画になっています。
私は子供の頃テレビでこの映画を観て、非常に印象に残りました。日本映画好きになったきっかけの一本でもあります。

「点と線」  1958年 東映 小林恒夫監督
キャスト
三原刑事:南廣(みなみひろし)
安田亮子:高峰三枝子
安田辰郎:山形勲
鳥飼刑事:加藤嘉
笠井警部:志村喬
お時:小宮光江
南廣はこの映画で「新人」とクレジットされています。デビュー作ではないようですが、この年から俳優へ転向しています(その前はジャズドラマー)。
後年、ウルトラセブンでクラタ隊長を演じているのはあまりにも有名です。
高峰三枝子はいうまでもない大女優。
山形勲は悪役専門のバイプレイヤーで、東映時代劇に数多く出演しています。
加藤嘉も個性派俳優で、筋を曲げない頑固で実直な役をやらせたら右にでるものがいないのではないでしょうか、おそらく笠智衆以上です。
田宮二郎の「白い巨塔」では映画版、テレビ版共に「大河内教授」という正義感に徹した役を好演しています。

さて、今回のテレビ版「点と線」は
鳥飼刑事:ビートたけし
鳥飼つや子::内山理名
三原刑事:高橋克典
安田辰郎:柳葉敏郎
お時:原沙知絵
安田亮子:夏川結衣
「現代では映像化不可能」という意味で上記のコピーが使われたとしても、三丁目の夕日で見られるように、映像での時代の作り込みはさほど困難ではありません。
ただし、設定を現代にするとなるとこれは不可能で、このドラマでも設定は当時です。
いきなり50年代のストーリーにできないので、鳥飼の義娘のつや子(池内淳子)と三原刑事(宇津井建)が再会し回想するという形になっています。

映画では高峰三枝子、南廣が主演ですが、テレビではビートたけしです。役では安田の妻亮子、三原刑事が鳥飼刑事になります。
女優陣をみると、映画版では高峰三枝子が突出しているのに対し、テレビではもっとも力の入ったキャストは内山理名です。それに対し、夏川結衣は二級の印象です。
この人は、映画の「座頭市」にも出演していて、もしかしたらたけしの評価は高いのかもしれませんが、この映画の役どころの大きさを考えると疑問です。

映画版の鳥飼=加藤嘉が温厚な実直なのに比べ、たけしの鳥飼は暴力的です。そのほうがたけしの魅力を引き出せるのでしょうが、それしかないの?と思ってしまいます。

安田辰郎、殺人の実行犯で三原は見た瞬間にこいつが怪しいと感じます。艶福家で欲の深い役ですが、これも山形勲ははまりやく、ギバちゃんはやさしそうでいけません。
妻が夫のために殺人のトリックを考え、きつい身体をつかって殺人を手伝う。
この女性に焦点をあてるべき作品だと思うのですが、テレビ版はここがあまりにもぞんざいです。

私の意見を総括すると、ビートたけしを全面にだすことで数字が稼げるのでしょう、結果高視聴率だったようです。でも作品としてとらえるとお粗末な気がします。

(Hatena::Diaryより転載)

「点と線」への2件のフィードバック

  1. コメントありがとうございます。
    まがりなりにも前作があるもの、また原作があるものはきちんとリメイクのイメージを作らないといけませんね。
    現代のリメイクばやりに疑問を感じます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です