金閣寺

「炎上」 1958年 大映
最近忙しかったものでケーブルテレビの番組チェックをしていなかったら、11月は三島由紀夫特集をやっていました。大あわてでこの「炎上」と「愛の渇き」を観ました。
「炎上」は原作は三島の「金閣寺」という、実際にあった国宝の放火事件を題材にした小説です。心を許せる人間のいない主人公の孤独、悩みそして一番美しい物への思いを描いています。
雷蔵の現代劇のデビュー作で、この後の「破壊」や「ぼんち」に繋がります。雷蔵というと眠狂四郎が代表作で時代劇の方が多いのですが、僕はこういう近時代の小説の映画がの雷蔵が好きです。
「炎上」の演技には三島も満足していたそうです。

監督は市川崑、キャストは中村鴈治郎(先代)、仲代達矢、他は中村玉緒や新玉三千代がいますが大した役ではなく、やはり雷蔵のピンの魅力を引き出しています(仲代はそれなりに存在感があり良いですが)。

ところで、前に書いた東宝の「名もなく貧しく美しく」では「おし」を題材に、この炎上では「どもり」を扱っています。これが現代の映画ではストレートに表現できなくなっています。
ハンディキャップが人の心にあたえる影響を物語から排除すると、成り立たなくなります。
弱者をオブラートで包むようなまやかしのやさしさがある中で、いじめの問題を語っていても意味がないです。

(Hatena::Diaryより転載)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です