ふたつの没後十年

昨日書いたフランキー堺さんは10年前、2006年6月に亡くなりました。そのほぼ二ヶ月後に渥美清さんが亡くなっています。(通常役者さんに敬称はつけませんが、敬意をもって書いています、以下省略)

生まれ年は渥美がひとつ上、まあほぼ同い年で、同時期に亡くなったのです。渥美は若い頃結核で片肺を失っています、最後も肺がんで、酒も煙草もやらず役者以外は養生した人生でした。フランキーは後年は病気からか若い頃のプクプクした感じがなくなっていました。お二人とも無理しなければもう少し長生きしたのかもしれません。

小林信彦さんの著書を読んでから、私はこの二人をある絆で見ています。それは森繁です。

フランキーは森繁をライバルと見ていたようです。確かにこの二人の才能は似ていて近いのです。しかし年齢とテイストが違うので「駅前」や「社長シリーズ」その他多くの映画で見事な共作をしています。
加東大介や山茶花九、小林桂樹、三木のり平などは森繁との共作が多いですが、みんな森繁のパワーにはかないません、フランキーは(年齢や格を差し引けば)互角のパワーです。

一方の渥美は森繁に憧れて、慕って役者人生をおくっていました。小林さんの本では渥美は「伴淳」や「ハナ肇」が嫌いだったそうです、それでも松竹への縁でこの二人とは共演が多く、しかもハナは山田洋次のお気に入りですからとても意外ですが、渥美さんが求めていたのは実は違ったのかなとも思います。
とはいえ、天才肌のフランキー、森繁と渥美は同じようにはやっていけません。

生涯最高のはまり役が「車寅次郎」で、渥美はその人気と呪縛に生きて死んでいきました。

没後十年にあたり、この違った才能の役者を称えて追悼します。

(Hatena::Diaryより転載)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です